2012年6月26日火曜日

世界を変えるデザイン展~プロダクト紹介vol.4~


今回紹介するプロダクトはこれ。

黒地に模様の入ったおしゃれなサンダル。
鼻緒もソールもしっかりとした作りです。

そしてサンダルの裏側・・この溝の模様、どこかで見た事ありませんか?


ピンと来た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そう、タイヤです!

このサンダルは廃棄されたタイヤを再利用して作られています。
その名も「Plakkies(プラッキーズ)」!
Plakkies とはアフリカ(南部)で「サンダル」を意味します。

南アフリカでは、ゴミ捨て場に廃棄されたタイヤが不法に焼却され、環境に甚大な影響を及ぼしています。
焼却されずに放置されたタイヤには水が溜まって悪臭が発生したり、そこからマラリアを媒介するハマダラ蚊のボウフラがわいたり、積み上げられた廃タイヤが自然発火して火事になるなどの問題起きています。


一方で、同国ではHIV感染者が増加傾向にあり、感染者の多くは仕事に就くことが難しい現状も問題視されています。

このような課題にチャレンジしようとデザインされたのが、この廃タイヤを使ったサンダルのPlakkiesです。

Plakkiesの製造工場ではスラム居住者やHIV感染者を雇用しており、HIV感染者の従業員には抗エイズ薬が毎日の食事時間に無償で配布されます。
工場内では「安全」「職業訓練」「健康」を最重要課題としており、他の仕事を解雇された後の生活再建の機会になっています。


今回デザイン展で展示されているPlakkiesは黒でかっこいいタイプのものですが、他にもカラフルなデザインがいっぱい!
このサンダルの配色やデザインされているパターンは、工場周辺のスラム出身の孤児たちによるものです。
(是非Plakkiesで画像検索してみて下さい)
太陽のようなパターンや、鮮やかな色合いがとってもおしゃれ!
子ども達の創造性の豊かさを感じますね。
このPlakkiesで得られた収益は、南アフリカの子どもの権利を守るための組織「キッズライツ孤児プロジェクト」に全額寄付されます。
デザイン展では詳しい説明の書かれた
キャプションがついています。

このサンダル一つで、廃タイヤの再利用・スラム居住者とHIV感染者の雇用・子ども達の権利のための寄付、と3つの課題にチャレンジしています。
サンダルの素材からデザイン、製造工程、収益まで、一つでも多くの笑顔を支えるためのアイディアが反映されています。
造形だけではなく、出来上がる前と後まで含めて「世界を変えるデザイン」なのです。

たかがサンダル、されどサンダル。

私たちの生活にある身近なものにも、世界を変えるための可能性を感じるプロダクツでした。
是非世界を変えるデザイン展でPlakkiesを見て、手に取って、サンダルから世界を見てみませんか?



 「世界を変えるデザイン展」
[運営]NPO法人 里山を考える会
 詳細→ http://www.satoyama.cn/news/1206_1.html
 5.25(金)→6.30(土)
 北九州市環境ミュージアム
 アクセス→ http://eco-museum.com/access.html
 開館時間9:00〜17:00(休館日:月曜日)
 入場無料 

 7.6(金)→7.30(土)
 北九州市エコライフプラザ
 アクセス→http://www.ecolifeplaza.com/gaiyou/gaiyou.htm
 開館時間 10:00〜19:00
 8.2(火)→8.31(金)
 山田緑地
 アクセス→http://yamada-park.com/access.html
 開園時間 9:00→17:00(休園日:火曜日)
 入場無料